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細胞生物学:炎症を促進するドラッガブルな銅シグナル伝達経路
Nature 617, 7960 doi: 10.1038/s41586-023-06017-4
炎症は複雑な生理的過程であり、有害な刺激への応答として誘発される。炎症には、損傷の原因や損傷組織を除去する能力を持った免疫系細胞が関与している。過剰な炎症は感染の結果起こる可能性があり、いくつかの疾患は過剰な炎症を特徴とする。しかし、炎症応答の根底にある分子基盤については、完全には分かっていない。今回我々は、発生や免疫、がんプログレッションの状況において異なる細胞表現型の獲得を標識する細胞表面糖タンパク質CD44が、銅などの金属の取り込みを仲介することを示す。炎症性マクロファージのミトコンドリア内に、過酸化水素の活性化によりNAD(H)酸化還元サイクルを触媒する、化学的反応性の高い銅(II)のプールが見つかった。NAD+の維持は、炎症性状態に向かわせる代謝的およびエピジェネティックなプログラム化を可能にする。合理的に設計されたメトホルミン二量体であるsupformin(LCC-12)によってミトコンドリアの銅(II)を標的にすると、NAD(H)プールの還元が誘導され、マクロファージ活性化を妨げる代謝状態とエピジェネティック状態が引き起こされた。LCC-12は他の状況では細胞の可塑性に干渉し、細菌感染やウイルス感染のマウスモデルでは炎症を軽減する。我々の研究は、銅が細胞可塑性の調節因子として中心的な役割を担っていることをはっきりと示し、代謝の再プログラム化やエピジェネティックな細胞状態の制御に基づく治療戦略を明らかにしている。

