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分子生物学:ノンコーディング領域の翻訳の軽減
Nature 617, 7960 doi: 10.1038/s41586-023-05946-4
翻訳はカノニカルなコーディング領域以外でも広く見られ、長鎖ノンコーディングRNAやカノニカルな非翻訳領域(UTR)、イントロンで起こり、特に加齢や神経変性、がんで顕著である。興味深いことに、腫瘍特異的抗原の大多数は、ノンコーディング領域が翻訳された結果である。結果として生じたポリペプチドは多くの場合機能を持たないが、それでもノンコーディング領域の翻訳は、新しいコーディング配列の誕生に必要である。多様なノンコーディング領域の翻訳を監視するための機構と、それを逃れたポリペプチドが新しい機能を進化させる仕組みは解明されていない。ノンコーディングであると注釈付けされた配列に由来する機能性ポリペプチドは、膜に局在する場合が多い。今回我々は、1万以上のヒトゲノム塩基配列と数百万のランダムな塩基配列の大規模な並行解析をゲノム規模のCRISPRスクリーニングと統合し、同時に綿密な遺伝学的および生化学的特性解析を行った。その結果、ノンコーディングゲノムと遺伝暗号に内在するヌクレオチドの偏りによって、疎水性のC末端尾部を持つポリペプチドが頻繁に生じ、この尾部がリボソーム関連BAG6膜タンパク質選別複合体によって捕捉され、プロテアソームによる分解か膜への標的化のどちらかに向けられることが分かった。対照的にカノニカルなタンパク質では、C末端の疎水性残基をなくすように進化してきている。これらの結果は、多様なノンコーディング領域からの望ましくない翻訳を監視するフェイルセーフ機構を明らかにし、新たに進化したタンパク質を優先的に膜局在させる生化学的経路の存在を示唆している。

