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天文学:赤方偏移5.7に存在するC IVの複合的な吸収体周辺のコンパクトな[C II]放射天体
Nature 617, 7960 doi: 10.1038/s41586-023-05901-3
銀河周辺物質の物理状態は、背景にある宇宙再電離時代までの準恒星状天体(QSO)のスペクトルに現れる吸収線系によって調べられる。Lyαで検出される放射源が、強く電離した吸収体の近くにあり、[C II]の158 μmで検出される放射源が、中性の吸収体の近くにあることから、吸収ガスの電離状態とその近傍の銀河の性質との相関が示唆されている。これはおそらく、異なる種類の吸収線系の出現率の全体的な変化や、宇宙の再電離の過程と関連しているとも考えられる。本論文で我々は、強く電離したC IVの複合的な吸収線系と関連した、赤方偏移z ≈ 5.7で[C II]を放射する2つの銀河を検出したことについて報告する。これらの天体は、銀河の密度超過領域の一部であり、コンパクトなサイズ(< 2.4 kpc)と狭い線幅(半値全幅〔FWHM〕 ≈ 62~64 km s−1)を持つ。流体力学シミュレーションからは、類似した線幅の狭い[C II]放射が、低温の中性物質の小さな(≲ 3 kpc)ガス雲の加熱か、コンパクトな光解離領域から生じる可能性が予想された。静止系の紫外(UV)波長に対応天体が確認されていないことから、[C II]放射を励起している放射源が強く遮蔽されていることが示唆される。これらの結果は、[C II]放射の性質、銀河のまれな密度超過領域、この領域におけるガスの異常な高電離状態の関係を示唆している可能性がある。

