Article

量子物理学:駆動された不均一エミッターを用いる多体共振器量子電気力学

Nature 617, 7960 doi: 10.1038/s41586-023-05884-1

光共振器と結合した量子エミッターは、共振器量子電気力学(cQED)における基本的現象を調べる上で典型的な系であり、キュービット、メモリー、トランスデューサーとして働く量子デバイスに広く用いられている。これまでの多くの実験的なcQEDの研究では、少数の同一エミッターと弱い外部駆動が相互作用する領域に重点が置かれており、そうした系は単純な有効モデルで記述できた。しかし、強く駆動されている乱れた多体量子系のダイナミクスは、量子応用におけるその重要性と可能性にもかかわらず、十分に調べられていない。今回我々は、ナノフォトニック共振器と高い協同性で結合した固体エミッターの不均一に広がった大きな集団が、強い励起の下でどのように振る舞うか調べた。その結果、駆動された不均一なエミッターと共振器光子の相互作用によって生じる量子干渉と集団応答に起因する、共振器反射スペクトルにおける鋭い集団誘起透明性(CIT)が見いだされた。さらに、CITウィンドウ内のコヒーレント励起によって、高速の超放射から低速のサブ放射にわたる極めて非線形性の高い光放射が生じた。多体cQED領域におけるこうした現象は、スローライトや周波数参照を実現する新しい機構を可能にし、固体超放射レーザーへの道を開くとともに、集団に基づく量子相互接続の開発に役立つ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度