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翻訳:CDC20の選択的翻訳アイソフォームは有糸分裂の停止期間を調節する
Nature 617, 7959 doi: 10.1038/s41586-023-05943-7
有糸分裂に異常があると紡錘体形成チェックポイントが活性化され、分裂後期促進複合体コアクチベーターCDC20を阻害して、細胞周期の停止を長引かせる。誤りが訂正されると紡錘体形成チェックポイントは抑制され、後期の開始に進めるようになる。しかし、解決できない永続的な誤りが存在する場合には、細胞は細胞周期停止から逸脱(mitotic slippage)して四倍体のG1状態に入り、停止の長期化の結果として起こる細胞死を回避する。細胞がどのような分子ロジックによって、有糸分裂の停止とそこからの逸脱という対立的挙動のバランスを取っているのかは、解明されていない。今回我々は、ヒト細胞は、CDC20の保存された選択的翻訳アイソフォームがあることで、有糸分裂停止の持続期間を調節することを明らかにする。下流での翻訳開始の結果、切断型CDC20アイソフォームが生じ、これが紡錘体形成チェックポイントを介した阻害に抵抗性を示し、有糸分裂が乱されていても有糸分裂終了を促進する。これらの知見は、複数のCDC20アイソフォームの相対的レベルによって有糸分裂の停止期間が制御されるというモデルを裏付けている。長期的な有糸分裂停止の間には、新たなタンパク質合成とCDC20アイソフォームの代謝回転の差異がタイマーとなり、切断型Met43アイソフォームが十分なレベルに達すると、有糸分裂の終了が起こる。標的化による分子変化や自然に生じるがん変異によって、CDC20アイソフォームの比率やその翻訳制御が変化すると、有糸分裂停止期間や抗有糸分裂薬感受性が変化するため、ヒトのがんの診断や治療にも関係してくる可能性がある。

