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物性物理学:YTiO3における光誘起高温強磁性

Nature 617, 7959 doi: 10.1038/s41586-023-05853-8

量子物質では、縮退やフラストレートした相互作用が、長距離秩序の出現に大きな影響を及ぼす場合があり、これによって機能的に関連する電子相や磁性相を抑制する強いゆらぎが駆動されることが多い。バルクやヘテロ界面における原子構造の操作は、この縮退を解く重要な研究戦略であるが、こうした平衡法は、熱力学的、弾性的、化学的な制約によって制限されている。今回我々は、結晶格子の全光学的なモード選択的操作を用いて、YTiO3の高温強磁性を増強し安定化できることを示す。この物質は、部分的な軌道分極しか示さず、低温磁気モーメントが不飽和で、キュリー温度もTc = 27 Kと抑えられている。この高温強磁性の増強は、9 THzの酸素回転モードを励起すると最大になり、低温で完全な磁気飽和が実現され、過渡的な強磁性が、熱力学的転移温度の3倍に近い最高Tneq > 80 Kまで実現される。我々は、こうした効果が、準縮退Tit2g軌道への動的な光誘起変化の結果であり、平衡状態に見られる磁気相競合やゆらぎに影響を及ぼすと解釈する。特に、今回の研究で発見された光誘起高温強磁性は、数ナノ秒にわたって準安定であり、実用的に有用な非平衡機能性を動的に操作できることを浮き彫りにしている。

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