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腫瘍生物学:バレット食道のがんへの形質転換における染色体外DNA

Nature 616, 7958 doi: 10.1038/s41586-023-05937-5

染色体外DNA(ecDNA)上でのがん遺伝子の増幅は、腫瘍の進化とそれらの治療抵抗性を促進し、がん患者の予後不良と関連付けられている。ecDNAがゲノム不安定性の後期に発現する現象なのか、異形成からがんへの移行中に起こる初期事象なのかは、今のところ不明である。今回我々は、ecDNAの発生についての理解を深めるために、食道腺がん(EAC)患者とバレット食道患者の全ゲノム塩基配列解読(WGS)データを解析した。これらのデータには、ケンブリッジ大学(英国)でのバレット食道サーベイランスとEACコホートの206件の生検が含まれる。また、フレッド・ハッチンソンがんセンター(米国)での症例対照研究の患者80人から、2つの時点で複数領域から採取された生検のWGSと組織学データも解析した。ケンブリッジコホートでは、ecDNAの頻度は、バレット食道に関連した初期EAC(24%)と後期EAC(43%)の間で増加していたことから、ecDNAはがんのプログレッション中に形成されることが示唆された。フレッド・ハッチンソンがんセンターのコホートでは、EAC発症患者の33%で、EAC診断前または診断時にecDNAを持つ食道生検が、少なくとも1つ見られた。がん診断前に採取された生検について、後にEACを発症した患者の試料では、発症しなかった患者の試料よりもecDNAレベルが高かった。また、ecDNAには、さまざまながん遺伝子や免疫調節遺伝子が多数含まれることが分かった。さらに、がんがより進行した段階では、ecDNAのコピー数増加と構造の複雑化が見られた。我々の知見は、ecDNAが高異型度異形成(high-grade dysplasia)からがんへ移行の早期に作られる可能性があること、そしてecDNAが漸進的に形成され、正の選択下で進化することを示している。

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