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分子生物学:複製起点でのクロマチン構造の確立とその機能

Nature 616, 7958 doi: 10.1038/s41586-023-05926-8

複製起点認識複合体(ORC)は、真核生物染色体の複製開始に不可欠な複合体であり、複製起点に複製ヘリカーゼのMCM(minichromosome maintenance)複合体をローディングさせる。複製起点は定型的なヌクレオソーム構造をとっており、ORC結合部位にはヌクレオソームがなく、その両側にはヌクレオソームが規則的な間隔をとって並んでいる。しかし、このようなヌクレオソーム構造がどのようにして確立されるのか、またこの構造が複製に必要なのかどうかは、まだ明らかになっていない。今回我々は、およそ300の複製開始点をゲノム規模で生化学的に再構築することにより、出芽酵母から17の精製クロマチン因子をスクリーニングによって見つけ出し、ORCが複製起点のヌクレオソーム枯渇とその両側のヌクレオソーム配置をクロマチンリモデリング因子INO80、ISW1a、ISW2、Chd1の協調的作用によって確立することを見いだした。ORCのヌクレオソーム構造化活性が機能的に重要なことは、ORCの古典的なMCMローディング活性は保持しているが、ヌクレオソームを規則的に並べる活性は持たないorc1変異によって実証された。このような変異が起こると、in vitroではクロマチンによる複製が損なわれ、in vivoでは致死となる。これらの結果から、ORCにはMCMローディング因子としてのカノニカルな役割に加えて、複製起点でのヌクレオソーム構造のマスター調節因子という第二の重要な機能があり、これが染色体の効率良い複製の重要な前提必要条件であることが確証された。

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