Review

創薬:計算手法による創薬の合理化

Nature 616, 7958 doi: 10.1038/s41586-023-05905-z

コンピューターを利用した創薬は数十年前から存在するが、学術界と製薬業界の両方で計算技術の採用に向けた構造的転換が起きたのはここ数年のことである。この転換は主に、リガンドの特性やその治療標的への結合、さらにそれらの三次元構造に関する大量のデータ、豊富な計算能力、そしてドラッグライクな数十億もの低分子のオンデマンドのバーチャルライブラリーの出現によって定義される。これらの資源を最大限利用するには、リガンドの効果的なスクリーニングを行うための高速計算法が必要である。そうした方法には、ギガスケールの化合物空間の構造ベースのバーチャルスクリーニングが含まれ、これはさらに高速の反復スクリーニング手法によって促進される。これと非常に相乗的なのは、受容体の構造の代わりにリガンドの特性や標的活性を深層学習によって予測する方法の開発である。本論文で我々は、近年のリガンド発見技術の進歩、それらが創薬研究開発の全過程を作り変える可能性、そしてそれらが直面する課題について概説する。我々はまた、標的タンパク質に対する極めて多様で強力な標的選択的ドラッグライクリガンドの迅速な発見が、創薬の過程をいかに民主化し得るかについて議論することで、より安全でより効果的な低分子治療薬のコスト効率の高い開発のための新たな機会を提示する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度