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がん:STINGは肺腺がんにおける休眠状態の転移腫瘍の再活性化を阻害する
Nature 616, 7958 doi: 10.1038/s41586-023-05880-5
転移は、原発腫瘍の治療が成功したと見えた後に、休眠状態で残っている播種されたがん細胞から生じることが多い。これらの細胞は、免疫を回避する静止状態と、免疫による排除を受けやすい増殖状態の間を変動している。休眠から目覚めた転移細胞の除去について、また、この過程を治療として活性化して患者の残存病変(残存腫瘍)を排除可能にする方法は、ほとんど分かっていない。今回我々は、進行が遅い肺腺がん転移モデルを用いて、休眠状態から脱出する際のがん細胞固有の免疫反応性決定因子を明らかにする。腫瘍固有の免疫調節因子の遺伝的スクリーニングによって、STING(stimulator of interferon genes)経路が転移発生の抑制因子として見つかった。STINGの活性は、細胞周期に再進入した転移前駆細胞で増加しており、転移に成功した腫瘍細胞におけるSTINGのプロモーターやエンハンサーの過剰なメチル化や、TGFβに応答して休眠状態に再進入する細胞でのクロマチン抑制によって低下する。自然転移に由来するがん細胞でSTINGを発現させると、その増殖が抑制された。マウスにSTINGアゴニストを全身投与すると、T細胞やナチュラルキラー細胞依存的に休眠状態の転移腫瘍が排除されて自然転移の発生が抑制された。これらの効果はがん細胞でのSTING機能を必要とする。従って、STINGは休眠状態の転移の進行に対するチェックポイントとなり、腫瘍再発予防に対する治療的標的になり得る戦略を示している。

