Article

材料科学:自己出力型ペロブスカイト光子計数検出器

Nature 616, 7958 doi: 10.1038/s41586-023-05847-6

金属ハロゲン化物ペロブスカイト(MHP)をうまく利用した、光子から電荷への変換や電荷から光子への変換が、太陽電池、発光ダイオード、ソーラー燃料といった応用において行われており、これらの応用は全て、強い光を必要とする。今回我々は、自己出力型多結晶ペロブスカイト光検出器が、光子計数について、市販のシリコン光電子増倍管(SiPM)に匹敵し得ることを示す。ペロブスカイト光子計数検出器(PCD)の光子計数能力は、主に浅いトラップによって決まるが、それにもかかわらず、深いトラップも電荷収集効率を制限する。多結晶三ヨウ化メチルアンモニウム鉛において、主に結晶粒界に存在するエネルギー深さが5.8 ± 0.8 meVのトラップと、主に表面に存在する57.2 ± 0.1 meVのトラップという、2つの浅いトラップが特定された。我々は、これらの浅いトラップが、それぞれ結晶粒サイズの増大や硫化ジフェニルを用いた表面の不動態化によって減らせることを示す。これによって、室温で暗計数率(DCR)が2万cps mm−2以上から2 cps mm−2へと大幅に抑制され、弱い光に対してSiPMより大幅に優れた応答が可能になった。このペロブスカイトPCDは、SiPMより優れたエネルギー分解能でγ線スペクトルを収集でき、85°Cという高温まで性能を維持できる。また、ペロブスカイト検出器のゼロバイアス動作によって、雑音や検出特性のドリフトをなくすことができる。今回の研究によって、ペロブスカイト特有の欠陥特性を用いた新しい光子計数の応用が開かれる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度