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遺伝学:TCL1Aの異常な活性化はクローン造血における幹細胞の増殖を促進する

Nature 616, 7958 doi: 10.1038/s41586-023-05806-1

一連のさまざまなドライバー遺伝子の変異は造血幹細胞(HSC)の適応度を高め、クローン造血を引き起こす。このような異常は血液がんの前駆状態となるが、長期的な試料採取によってクローンの増殖速度を評価した大規模なコホートがないこともあって、これらの変異の適応度優位性の基盤はほとんど分かっていない。今回我々は、この制約を回避するために、単一の時点のデータから増殖速度を推定する方法を開発し、これをクローン造血の見られる5071人に適用した。ゲノム規模関連解析から、TCL1Aプロモーターの、遺伝性のありふれた多型の1つが、クローン造血全体で増殖速度が遅くなることと関連することが明らかになったが、この効果はドライバー遺伝子によって異なっていた。この保護対立遺伝子を持つと、TET2ASXL1SF3B1SRSF2にドライバー変異を持つクローンでは、増殖速度あるいは存在数が顕著に低下したが、この効果はDNMT3Aにドライバー変異を持つクローンの場合は見られなかった。TCL1Aは、正常あるいはDNMT3A変異型のHSCでは発現していないが、in vitroでTET2あるいはASXL1に変異を導入すると、TCL1Aタンパク質の発現とHSCの増殖につながった。この保護対立遺伝子は、TCL1A発現の実験的ノックダウンで示された結果と同様に、TCL1A発現と変異型HSC増殖を制限した。TCL1Aの強制発現によって、in vitroのヒトHSCおよびin vivoのマウスHSCの増殖が促進された。我々の結果は、クローン造血におけるいくつかの変異がよく見られるドライバー遺伝子の適応度優位性がTCL1A活性化によって仲介される可能性があることを示している。

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