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物性物理学:重い電子系超伝導体の表面での量子井戸状態

Nature 616, 7957 doi: 10.1038/s41586-023-05830-1

表面の二次元電子状態は、CuやAgなどの単純でバンド幅の広い金属で観測されることが多い。表面テラスなどの、ナノメートルスケールの閉じた形状による閉じ込めは、バルク電子バンドの連続的なエネルギー依存性とは全く対照的に、表面バンドから形成される量子化されたエネルギー準位をもたらす。そうしたエネルギー準位の間隔は、通常数百meVである。別種の物質では、強い電子相関から、バンド幅の狭くバルク基底状態がエキゾチックな、いわゆる重い電子状態が生じる。しかし、二次元の重い電子(2DHF)の量子井戸状態は、それらのエネルギー間隔が非常に小さいので観測がまだ難しいことが知られている。今回我々は、ミリケルビン走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて、17.5 K未満で不可解な隠れた秩序(HO)状態を示す重い電子系超伝導体URu2Si2のU終端表面の原子レベルで平坦なテラスを調べた。その結果、有効質量が自由電子質量の17倍の5f電子から形成された2DHFが観測された。この2DHFは、数分の1 meVの間隔で量子化された状態を形成し、その準位幅は、相関バルク状態との相互作用によって決まる。テラス間のステップ上のエッジ状態が2つの面内方向のいずれかに沿って出現することから、表面での電子対称性の破れが示唆された。今回の結果は、強相関量子物質における量子井戸状態を実現し、それらが電子環境とどのように結び付いているかを探る新しい道筋を提案するものである。

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