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惑星科学:惑星防衛を目的に成功した小惑星へのキネティック・インパクト
Nature 616, 7957 doi: 10.1038/s41586-023-05810-5
少なくとも今後100年の間に地球を脅かす小惑星は知られていないが、地球近傍小惑星のカタログは、衝突が局所的な破壊をもたらす可能性のある天体については不完全である。これまでに、小惑星の軌道を変えたり、小惑星を破壊したりすることによって地球への衝突を防ぐ可能性がある、いくつかの手法が提案されている。その中で、キネティック・インパクト技術の検証が、小惑星衝突の軽減に関して最優先の宇宙ミッションとして位置付けられた。NASAの二重小惑星進路変更実験(DART)ミッションは、キネティック・インパクト技術の実規模実験である。このミッションが標的とする小惑星は、S型連星地球近傍小惑星ディディモス(小惑星番号65803)の伴星、ディモルフォスである。この連星小惑星系は、探査機DARTの衝突によって生じる小惑星の軌道の変化を、地上に設置された望遠鏡で定量化できることから選定された。過去のミッションで小天体の性質を調べるためにインパクターを利用したことはあるが、それらの初期のミッションは標的の軌道変更を目的としておらず、測定可能な軌道の変化は得られなかった。本論文で我々は、探査機DARTのディモルフォスへの自律的なキネティック・インパクトについて報告し、衝突までの時系列、DART衝突地点の位置と性質、ディモルフォスのサイズや形状を含む、衝突イベントを再構築する。探査機DARTがディモルフォスへの衝突に成功し、その結果ディモルフォスの軌道を変化させたことは、キネティック・インパクター技術が、必要であれば地球を防衛できる可能性がある有望な技術であることを示している。

