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医学研究:TRACERxにおけるctDNAを用いた早期肺がんの転移播種の追跡

Nature 616, 7957 doi: 10.1038/s41586-023-05776-4

血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いると、根治的治療後にも存在し続ける残存腫瘍細胞を検出およびプロファイリングすることができる。早期ステージの非小細胞肺がん(NSCLC)における再発の系統発生学的バイオマーカーとしてのctDNAの役割を決定するには、長期的な血漿試料採取と長期にわたる追跡調査を組み込んだ大規模な患者コホートの研究が必要である。今回我々は、TRACERx研究に登録された197人の患者から採取した1069の血漿試料において、切除されたNSCLC組織で特定された、中央値200の変異を追跡するctDNA法を開発した。術前にctDNAが検出されないことで、臨床転帰が良好な生物学的に不活性な肺腺がんが識別された。術後の血漿解析は、標準治療の放射線学的サーベイランスや細胞傷害性アジュバント療法の投与の状況において解釈された。術後120日以内に採取された血漿試料のランドマーク解析から、患者の25%でctDNAが検出され、これには臨床的再発を経験した全患者の49%が含まれることが明らかになった。また、3〜6カ月ごとのctDNAサーベイランスにより、ランドマーク解析陰性患者のさらに20%で腫瘍再発の兆候が特定された。我々は、ctDNAレベルが低い場合にサブクローン構造を非侵襲的に追跡するための、バイオインフォマティクスツール(ECLIPSE)を開発した。ECLIPSEから、多クローン性の転移播種が見られる患者が特定され、これは臨床転帰不良と関連していた。術前血漿中のがん細胞のサブクローン分画を測定することにより、将来播種して転移腫瘍を作るサブクローンは、転移性ではないサブクローンよりも有意に増殖していることが分かった。我々の知見は、(ネオ)アジュバント試験の進歩を支えるものであり、ctDNAレベルが低いリキッドバイオプシーを用いて転移播種の過程についての手掛かりを示している。

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