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医学研究:内在性レトロウイルスに対する抗体は肺がんの免疫療法を増強する
Nature 616, 7957 doi: 10.1038/s41586-023-05771-9
B細胞は固形腫瘍の周辺に高頻度で見られ、三次リンパ様構造(TLS)と呼ばれる異所性リンパ器官中の組織化された濾胞として存在している。TLSは、良好な患者生存率や免疫チェックポイント阻害剤(ICB)に対する応答と相関することが明らかにされているが、この関連の根本的な機構は不明である。今回我々は、肺常在性B細胞の応答を、TRACERx 421(Tracking Non-Small-Cell Lung Cancer Evolution Through Therapy)やその他の肺がんコホートの患者、および最近樹立された肺腺がんの免疫原性マウスモデルで調べた。その結果、ヒトとマウスの肺腺がんはどちらも、局所的な胚中心反応や腫瘍結合性抗体を誘導することが明らかになり、さらに内在性レトロウイルス(ERV)のエンベロープ糖タンパク質が、主要な抗腫瘍抗体の標的であることが分かった。ERVを標的とするB細胞応答は、ヒトおよびマウスの両方でICBによって、またマウスモデルでKRAS(G12C)の標的阻害によって増幅された。ERV反応性抗体はマウスモデルで生存を延長する抗腫瘍活性を発揮し、またERVの発現はヒト肺腺がんでのICBの転帰を予測した。さらに我々は、マウスモデルでの有効な免疫療法には、CXCL13依存的なTLS形成が必要であることを見いだした。逆に、治療的なCXCL13の発現は抗腫瘍免疫を増強し、ICBと相乗的に働く。我々の結果は、TLSと免疫療法応答の関連についての有望な機構基盤を示している。

