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腫瘍生物学:RHOJはEMTに伴う化学療法抵抗性を制御する

Nature 616, 7955 doi: 10.1038/s41586-023-05838-7

がん細胞の治療抵抗性は、がん患者の主な死因となる。さまざまながん細胞で、上皮間葉転換(EMT)は治療抵抗性と相関するが、EMTを介した治療抵抗性の機構については不明な点が多い。今回我々は、腫瘍形成中に自発的なEMTを起こす皮膚扁平上皮がんのマウスモデルを用いて、EMT腫瘍細胞がin vivoとin vitroのいずれにおいても広範な抗腫瘍療法に対して高い抵抗性を持つことを明らかにした。in vitroとin vivoでの機能獲得および機能喪失研究では、EMTがん細胞選択的に高発現する低分子量Gタンパク質RHOJが治療抵抗性を制御することを明らかにした。ゲノム規模のトランスクリプトームプロファイリングとプロテオームプロファイリングでは、RHOJがDNA複製ストレス応答を強化してDNA損傷応答を活性化することにより、EMTに伴う化学療法抵抗性を調節する結果、化学療法によって生じたDNA損傷の速やかな修復が腫瘍細胞で可能になることを明らかにした。RHOJは核内アクチン調節タンパク質と結合するため、EMT腫瘍細胞でアクチン重合を阻害すると、化学療法による細胞死への感受性がRHOJ依存的に高まった。これらの知見をもとに、本研究ではEMTに伴う化学療法抵抗性の主要な調節因子としてのRHOJの役割と、その機構を明らかにした。

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