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物性物理学:モアレ近藤格子におけるゲート調整可能な重いフェルミオン

Nature 616, 7955 doi: 10.1038/s41586-023-05800-7

近藤格子は、スピン交換相互作用によって遍歴伝導電子と結合した局所磁気モーメントの行列で、強相関量子物質のプロトタイプである。近藤格子は通常、ランタノイドやアクチノイドを含む金属間化合物において実現される。こうしたバルク物質では、複雑な電子構造や、電子密度と交換相互作用の両方の調整における限界のため、近藤格子の物理の研究には大きな困難が伴う。今回我々は、AB積層したMoTe2/WSe2モアレ二重層に人工近藤格子を実現したことを報告する。この格子では、MoTe2層が調整されてモット絶縁状態になり、局所磁気モーメントの三角モアレ格子を保持していて、WSe2層が遍歴伝導キャリアでドープされている。我々は、フェルミ面が大きい重いフェルミオンを近藤温度より低温で観測した。また、外部磁場によって重いフェルミオンが破壊され、フェルミ面サイズと準粒子質量が急激に減少することも観測した。さらに我々は、遍歴キャリア密度または近藤相互作用によって、近藤温度を広く連続的にゲート調整できることを実証する。今回の研究によって、半導体モアレ物質を用いた単一デバイスにおいて、エキゾチックな量子臨界を持つ近藤格子の相図をin situで得られる可能性が開かれる。

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