Article

ナノスケール材料:エピタキシャル高kゲート酸化物と集積化した2Dフィン型電界効果トランジスター

Nature 616, 7955 doi: 10.1038/s41586-023-05797-z

二次元(2D)半導体と高誘電率(k)ゲート酸化物を正確に集積化して三次元(3D)垂直アーキテクチャー・アレイを形成することは、ウルトラスケールのトランジスターの開発に有望であるが、難しいことが分かっている。今回我々は、新種の3Dアーキテクチャーである、2Dフィン酸化物ヘテロ構造の垂直整列アレイをエピタキシャル合成したことを報告する。このアーキテクチャーでは、高移動度2D半導体フィンBi2O2Seと単結晶高kゲート酸化物Bi2SeO5がエピタキシャル集積されている。こうした2Dフィン酸化物エピタキシャルヘテロ構造は、原子レベルで平坦な界面と最小で1単位格子(1.2 nm)という極めて薄いフィン厚さを有し、単一配向アレイのサイト特異的な高密度成長をウエハースケールで実現している。Bi2O2Se/Bi2SeO5エピタキシャルヘテロ構造に基づいて作製された2Dフィン型電解効果トランジスター(FinFET)はそのままで、チャネル長400 nmにおいて、最高270 cm2 V−1 s−1という高い電子移動度(μ)、最低約1 pA μm−1という非常に低いオフ状態電流(IOFF)、最高108という高いオン/オフ電流比(ION/IOFF)、最高830 μA μm−1という高いオン状態電流(ION)を示した。これらの値は、国際デバイスおよびシステムロードマップ(IRDS)で予測されている低消費電力仕様を満たしている。今回の2Dフィン酸化物エピタキシャルヘテロ構造は、「ムーアの法則」のさらなる延命への道を開く。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度