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気候変動:月食が解明する中世の火山活動の時期と気候への影響
Nature 616, 7955 doi: 10.1038/s41586-023-05751-z
爆発的火山活動は、年々から100年の時間スケールの気候変動の重要な要因である。噴火が強制する気候変動の遠地への社会的影響を理解するには、事象の確かな年代と、火山性硫酸塩エアロゾルの負荷と高度(すなわち、対流圏対成層圏)の信頼できる見積もりが必要である。しかし、氷床コアによる年代決定の進歩にもかかわらず、これらの重要な要因には不確かさが残っている。そのため、温暖な中世気候異常から小氷期への遷移と関連付けられてきた、中世盛期(HMP、共通紀元1100~1300年)の時間的に集中した大噴火の役割に関する研究が特に妨げられている。今回我々は、HMPにおける皆既月食の報告の分析を利用して、当時の爆発的火山活動に新たな光を当て、そこから成層圏の濁度の時系列を得た。我々は、この新たな記録と、エアロゾルモデルシミュレーションおよび年輪に基づく気候代理指標を結び付けて、5回の顕著な噴火の年代の見積もりを改善し、そのそれぞれと成層圏のエアロゾルベールを関連付けた。共通紀元1182年頃にグリーンランド全域に硫黄を大量に堆積させた原因となった噴火を含む、別の5回の噴火は対流圏にしか影響を及ぼしておらず、気候への影響は小さかった。今回の知見は、火山噴火に対する10年規模から100年規模の気候応答のさらなる研究を支持するものである。

