漁業:ブルーフードが各国の食料システムの野心的な目標の達成を助け得る4つの道筋
Nature 616, 7955 doi: 10.1038/s41586-023-05737-x
水環境由来の食品であるブルーフードは、多くの国で人々の経済、生計、栄養安全保障、文化に重要なものとなっている。ブルーフードは多くの場合、栄養が豊富で、陸生動物由来の肉と比べて温室効果ガス排出量ならびに土地や水への影響が小さく、多くの漁村地域集団の健康、幸福、生計に貢献している。ブルーフード・アセスメント(BFA)は最近、ブルーフードの栄養、環境、経済、公正性の各側面に関して世界的な評価を行った。今回我々は、これらの知見を統合して、それらをブルーフードが世界各国の食料システムに貢献できるよう手助けするための4つの政策目標に変換した。それらの政策目標とは、必須栄養素の供給の確保、陸生動物由来の肉の健康的な代替品の提供、食餌による環境フットプリントの削減、そして、変わりゆく気候の下でのブルーフードの栄養、公正な経済、生計への貢献の保護である。状況特異的な環境的、社会経済的、文化的側面がこうした貢献にどう影響するのかを説明するため、我々は、各国に関してそれぞれの政策目標の妥当性を評価し、関連するコベネフィットとトレードオフを国家規模および国際的規模で検討した。その結果、多くのアフリカおよび南米諸国では、文化的に重要なブルーフードの消費促進が、特に栄養面で脆弱な人口区分において、ビタミンB12やオメガ3脂肪酸の不足を解決し得ることが明らかになった。一方、多くのグローバルノースの国々では、環境への影響の小さな水産食品の中程度の消費によって、反芻動物肉の摂取に起因する心血管疾患の罹患率および大きな温室効果ガスフットプリントが低下する可能性がある。我々が提示する分析の枠組みからはまた、将来的なリスクが高い国々も特定されており、これらの国々ではブルーフードシステムの気候適応が特に重要になるだろう。まとめると今回の枠組みは、政策決定者がそれぞれの地理に最も妥当なブルーフード政策目標を評価し、これらの目標の追求に関連する便益とトレードオフの比較・対比を行うのに役立つ。

