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構造生物学:大気中水素からの細菌によるエネルギー抽出の構造基盤

Nature 615, 7952 doi: 10.1038/s41586-023-05781-7

大気中H2は、多様な好気性細菌が成長や生存のエネルギー源として使っている。この重要で地球規模の過程は大気の組成を調節し、土壌の生物多様性を高め、また、極限環境での一次生産を駆動している。大気中H2の酸化は、[NiFe]ヒドロゲナーゼ・スーパーファミリーの性質が知られていないメンバーによるとされている。しかし、触媒毒であるO2が環境濃度である時にピコモルレベルのH2を酸化するという、触媒反応としての非常な難問をこのような酵素がどのようにして解決しているのか、また、得られた電子がどのようにして呼吸鎖に伝達されるのかはまだ解明されていない。今回我々は、スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)由来のヒドロゲナーゼHucのクライオ電子顕微鏡構造を決定し、その機能を調べた。Hucは、非常に反応効率の高い酸素非感受性酵素で、大気中H2の酸化を呼吸鎖電子伝達体メナキノンの水素化と共役させている。Hucは狭い疎水性のガス通路を使い、O2を消費して大気中H2を選択的に結合し、3個の[3Fe–4S]クラスターが酵素の性質を調整して大気中H2の酸化をエネルギー的に実現可能にしている。Hucの触媒サブユニットは、膜に結合しているストークの周囲に八量体である833 kDaの複合体を形成していて、これがメナキノンを膜から94 Åという距離にわたって輸送して還元する。これらの知見は、生物地球化学的かつ生態学的に重要な過程である大気中H2酸化の機構的な基礎を提示し、長距離キノン輸送に依存するエネルギー共役方式を明らかにしており、環境大気中でH2を酸化する触媒の開発へ道を開く。

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