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代謝:フマル酸はmtDNAを含んだ小胞の放出を誘導して自然免疫を引き起こす
Nature 615, 7952 doi: 10.1038/s41586-023-05770-w
フマル酸ヒドラターゼ(FH)の変異によって遺伝性平滑筋腫症や腎細胞がんが引き起こされる。腎臓でFHが喪失すると、がん代謝物であるフマル酸の蓄積により、いくつかの発がん性シグナル伝達カスケードが誘導される。しかし、FH喪失による長期的な影響は報告されているが、急性応答はこれまで調べられていない。今回我々は、腎臓においてFH喪失によって起こる時間的変化を研究するため、誘導性マウスモデルを作製した。FHの喪失は、早期のミトコンドリア形態変化とミトコンドリアDNA(mtDNA)の細胞質ゾルへの放出を誘導し、細胞質ゾルでmtDNAはサイクリックGMP–AMPシンターゼ(cGAS)–STING(stimulator of interferon genes)–TBK1(TANK-binding kinase 1)経路の活性化を引き起こし、また、RIG-I(retinoic-acid-inducible gene I)にも部分的に依存する炎症反応を刺激することが分かった。機構的には、この表現型はフマル酸によって仲介され、SNX9(sorting nexin 9)依存的にミトコンドリア由来の小胞を介して選択的に起こることが分かった。これらの結果は、細胞内フマル酸レベルの上昇が、ミトコンドリアネットワークのリモデリングとミトコンドリア由来小胞の作出を誘導し、これによって細胞質ゾルへのmtDNAの放出と、それに続く自然免疫応答の活性化を引き起こすことを明らかにしている。

