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化学:らせんキラルなオキソニウムイオンにおける立体中心酸素の制御
Nature 615, 7952 doi: 10.1038/s41586-023-05719-z
四面体炭素の立体中心の制御は、依然として現代合成化学の中心であり、その立体配置が安定であることによって可能になる。対照的に、3置換の窒素、リン、硫黄の化合物では、広く利用されている基本的な周知の立体化学現象であるピラミッド反転が起こる。しかし、正電荷を持つ酸素原子に3つの置換基を持つ化合物であるオキソニウムイオンの立体化学の開発は不十分であり、反応性中間体として存在する以外に、オキソニウムイオンの合成への応用例はほとんどない。酸素原子が唯一の立体中心で立体配置が安定しているオキソニウムイオンの例はない。これはおそらく、酸素ピラミッド反転の障壁が低く、オキソニウムイオンは全て反応性が高いと認識されているためであると思われる。今回我々は、酸素の孤立電子対が幾何学的制約によって反転できないことで立体配置の決定要因として機能可能となる、らせんキラルなトリアリールオキソニウムイオンを設計・合成し、その特性評価を行ったことを報告する。合成と量子計算を組み合わせた方法によって、立体配置が安定していて室温で単離できる塩を生成可能にする設計原理が説明された。我々は、反転障壁が110 kJ mol−1より高いことを示すとともに、分割プロセスを概説する。これは、我々の知る限りでは、酸素原子が唯一の立体中心で立体配置が安定なキラル非ラセミ分子の唯一の例である。

