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免疫学:繰り返される免疫感作に対する血清抗体応答の分子的運命マッピング
Nature 615, 7952 doi: 10.1038/s41586-023-05715-3
血清抗体の防御効果は、親和性および特異性が異なる抗原特異的B細胞クローンの相互作用から生じる。これらの細胞動態は血清レベルの現象の基盤であり、その一例である抗原原罪(OAS)は、ある免疫原性刺激によってB細胞集団が産生されると、その後に近縁の抗原に曝露した際、免疫系が繰り返し最初のB細胞集団に依存するとされる傾向で、これによってde novo応答の誘導が損なわれる。新しい変異株特異的な抗体がOAS型の抑制を受けることは、インフルエンザウイルスや重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)など、急速に進化するウイルスに対するワクチン接種の障壁となる可能性がある。OAS型の抑制の正確な測定が困難であるのは、その細胞起源や時間的起源が循環血中の抗体に容易に帰属できないためである。従って、OAS型は明確ではない。今回我々は、特定のB細胞集団由来の血清抗体を区別して検出できる分子的運命マッピング手法を提示する。連続した同種抗原でのブースト(追加免疫)に対する血清応答は、初回免疫で生じたB細胞集団からのものが圧倒的に多い一方、その後のナイーブB細胞からの新しい抗体応答の誘導は強く抑制されることが分かった。このような「初回依存(primary addiction)」は、抗原間の距離に応じて急激に減少するため、多様なウイルス糖タンパク質による再免疫感作により、プライミング変異株に存在しないエピトープを標的とするde novo抗体応答を生み出すことができる。我々の知見は、OASの理解と、進化する病原体に対するワクチンの設計や検査に重要な意味を持つ。

