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遺伝学:H3K4me3はRNAポリメラーゼIIのプロモーター近傍での停止解除を調節する
Nature 615, 7951 doi: 10.1038/s41586-023-05780-8
ヒストンH3リシン4のトリメチル化(H3K4me3)は転写開始部位と関連しており、転写開始を調節すると考えられてきた。しかし、H3K4 SET1/COMPASSメチルトランスフェラーゼ複合体の重複した機能が、転写調節でのH3K4me3の特異的役割の解明を複雑にしている。本研究で我々は、マウス胚性幹細胞をモデル系として用い、SET1/COMPASS複合体の共通するサブユニットを急性に除去すると、全てのH3K4メチル化が完全に失われることを明らかにする。H3K4me3の代謝回転は、H3K4me1やH3K4me2の代謝回転よりも速く、KDM5デメチラーゼに依存している。H3K4me3の急性な喪失は、転写開始には検出可能な影響を及ぼさなかったが、転写出力の広範な低下やRNAポリメラーゼII(RNAPII)の停止増加、転写伸長の減速につながった。また、H3K4me3は、停止したRNAPIIの排除と転写伸長に不可欠であるインテグレーター複合体サブユニット11(INTS11)の動員に必要であることが明らかになった。従って、H3K4me3は、転写開始ではなく、転写停止解除と転写伸長に明確な役割を担っていることが実証された。

