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微生物学:細菌の細胞壁と外膜の生合成の調整
Nature 615, 7951 doi: 10.1038/s41586-023-05750-0
グラム陰性細菌は、ペプチドグリカン(PG)の細胞壁と、リポ多糖(LPS)で構成される外葉を持つ外膜(OM)で細胞質膜を囲んでいる。この複雑な細胞外被は、薬物の進入に際して非常に困難な障壁となり、グラム陰性細菌固有の抗生物質耐性の主要な決定要因となっている。最も有効な抗菌治療の多くも、この表面を構築する生合成経路群を標的としている。従って、グラム陰性細菌の細胞外被の組み立ての基盤となる分子機構の解明は、薬剤耐性感染症というますます大きくなっている問題に対して有効な新しい治療法の開発に役立つ見込みがある。PGやOMの合成および組み立てに関する個々の経路は十分に特徴が明らかになっているが、これらの極めて重要な表層の生合成を調整する仕組みについてはほぼ何も分かっていない。今回我々は、グラム陰性病原菌である緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)において、PG合成経路およびLPS合成経路にそれぞれ関与する酵素間の調節相互作用を発見したことを報告する。我々は、PG合成酵素MurAは、LPS合成酵素LpxCと直接かつ特異的に相互作用することを示す。さらに、MurAは細胞や精製系においてLpxC活性を刺激することが示された。我々の結果は、プロテオバクテリア門の多くの種において、PG層とOM層の組み立てが、これらの合成経路に関与するそれぞれの酵素の活動を結び付けることで調整されているというモデルを裏付けている。

