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構造生物学:DICERによる低分子RNA産生の塩基配列決定因子

Nature 615, 7951 doi: 10.1038/s41586-023-05722-4

RNAサイレンシングは、Dicerによる二本鎖RNAの特異的で効率的なプロセシングに依存しており、それによってマイクロRNA(miRNA)と低分子干渉RNA(siRNA)が作られる。しかし、Dicerの特異性に関して現在分かっているのは、基質の二次構造に限られており、これらは約22塩基対の二本鎖RNAで、3′側に2ヌクレオチドの突出があり、末端ループを持つ。今回我々は、このような構造特性以外に、塩基配列に依存した付加的な決定因子があることを示す証拠を発見した。miRNA前駆体(pre-miRNA)の特性を体系的に調べるために、miRNA前駆体バリアントとヒトDICER(別名DICER1)を用いて、大規模な並行アッセイを行った。この解析により、切断部位の近くに高度に保存されたシス作用性エレメント(対合したG、対合したピリミジン、誤対合したCまたはA)が見つかり、我々はこれを「GYMモチーフ」と名付けた。このGYMモチーフは特定の位置でのプロセシングを促進し、以前明らかにされた、miRNA前駆体の5′末端と3′末端から距離を測る「定規」様の機構を無効化できる。これと一致して、このモチーフを短鎖ヘアピンRNAやDicerの基質siRNAに組み込むと、RNA干渉が促進された。さらに、DICERのC末端の二本鎖RNA結合ドメイン(dsRBD)が、このGYMモチーフを認識することが分かった。dsRBDを変化させると、モチーフ依存的な様式でプロセシングの減少と切断部位の変化が起こり、細胞内のmiRNAレパートリーに影響が及んだ。特に、dsRBDのがんに関連したR1855L置換は、GYMモチーフの認識を強く阻害した。この研究によって、後生動物のDicerによる基質認識の進化的に古い原理が明らかになり、これがRNA治療の設計に役立つ可能性が示された。

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