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大気化学:山火事のエアロゾルによって誘発される塩素の活性化とオゾン枯渇の促進

Nature 615, 7951 doi: 10.1038/s41586-022-05683-0

2020年のオーストラリアでの山火事発生後、南半球の中緯度域にわたって成層圏における塩素種とオゾンの存在量の著しい擾乱が観測された。大気の化学組成のこうした変化は、山火事のエアロゾルが成層圏の塩素とオゾン枯渇の化学に影響を及ぼすことを示唆している。今回我々は、酸化された有機物と硫酸塩の混合物を含む山火事エアロゾルが、塩酸溶解度とそれに関連する不均一反応速度を増大させ、比較的暖かい成層圏温度で、反応性塩素種を活性化しオゾンの減少を加速することを提案する。我々は、大気観測結果と、提案した機構を組み込んだモデルシミュレーションを比較することによって、この仮説を検証した。2020年の塩酸、硝酸塩素、次亜塩素酸の存在量のモデル化された変化は、観測結果とよく一致していた。今回の結果は、山火事エアロゾルの化学が、2020年の南極オゾンホールの記録的継続期間の主な原因ではないものの、その面積の増大と南中緯度のオゾン全量の3~5%の減少をもたらしたことを示している。これらの知見は、温暖化が進む世界において、山火事の頻発化と激化がオゾン回復を遅らせる可能性があるという懸念を増大させるものである。

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