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物性物理学:無限層格子におけるヤーン・テラー秩序の幾何学的フラストレーション

Nature 615, 7951 doi: 10.1038/s41586-022-05681-2

軌道がエネルギー的に縮退した電子配置が格子の変形を誘起してこの縮退を解くヤーン・テラー効果は、対称性を低下させる多くの結晶変形に重要な役割を果たしている。LaMnO3に例示されるように、ヤーン・テラーイオンの格子では協同変形が生じ得る。八面体や四面体配位の遷移金属酸化物では、軌道縮退が強いために多くの例が存在するが、無限層の銅酸化物、ニッケル酸化物、鉄酸化物、マンガン酸化物に見られるような正方形の平面アニオン配位では、この効果はまだ明らかにされていない。今回我々は、ブラウンミレライトCaCoO2.5相のトポタクティック還元によって単結晶CaCoO2薄膜を合成した。そして、対称性の高い位置からカチオンがオングストロームスケールで変位した、著しく変形した無限層構造を観測した。これは、実質的な配位子–遷移金属混合と共に、d7電子配置におけるdxz軌道とdyz軌道のヤーン・テラー縮退に起因するものとして理解できる。2√2 × 2√2 × 1の正方晶系スーパーセルに、複雑な変形パターンが生じており、これは、CoO2副格子への秩序化されたヤーン・テラー効果と、Ca副格子の変位に付随する幾何学的フラストレーションの競合を反映していて、これらは頂点酸素の非存在下で強く結合している。この競合の結果、CaCoO2構造は、「アイスルール」に従う、広がったツー・イン・ツー・アウト(two-in–two-out)型のCo変形を形成している。

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