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構造生物学:ヒトNa–Cl共輸送体の構造とチアジドによる阻害の機構

Nature 614, 7949 doi: 10.1038/s41586-023-05718-0

ナトリウム–塩素イオン共輸送体(NCC)は腎臓の生理学的性質に重要である。NCCは、ネフロンの遠位尿細管での塩再吸収に重要な役割を担っており、NCCに生じた変異は塩類の喪失が起こる病気であるギッテルマン症候群を引き起こす。NCCは、塩処理に関わる重要な物質の1つとして血圧調節に関わっており、高血圧治療の第一選択薬として60年以上にわたって広く処方されてきたチアジド系利尿薬の標的である。今回我々は、ヒトNCCの単独での構造と、広く使用されているチアジド系利尿薬との複合体の構造を、クライオ電子顕微鏡を用いて決定した。これらの構造は、機能研究と共に、NCCの主要なコンホメーション状態と関心を集めそうなその調節機構を明らかにしている。また、チアジド系利尿剤がNCCと特異的に相互作用して、その輸送機能を阻害する仕組みも示された。我々の結果からは、NCCのNa–Cl共輸送機構を理解するための重要な知見が得られ、それによって将来の薬剤設計や疾病関連変異を説明するための枠組みが確立された。

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