Article

進化学:現代型の多様性勾配は1500万年前に生じた

Nature 614, 7949 doi: 10.1038/s41586-023-05712-6

多様性の緯度勾配(LDG)は、さまざまなクレードにわたって広く見られる、現代の生態系の特徴である。LDGの存在は1世紀以上にわたり認識されてきたが、その原因となる機構については、無数の推定される駆動要因が緯度に伴って同時に共変化することが一因となり、今なお議論が続いている。生物多様性と緯度、そして考え得る原因要素の間の関係は経時的に変化してきたため、過去からはLDGの機構を解き明かすための機会が得られる。今回我々は、浮遊性有孔虫類におけるLDGの出現を、過去4000万年にわたって高い時空間分解能で定量化し、現代型の勾配が生じたのはわずか1500万年前であったことを見いだした。空間的・時間的モデルからは、浮遊性有孔虫類のLDGが水柱の物理的構造によって制御されている可能性があることが示唆された。水温の緯度勾配が1500万年以上前に急峻化したことが、低緯度域での水温の鉛直勾配の増大と関連して、低緯度域でニッチ分割を促進し、種分化の機会をより多くもたらした可能性がある。この仮説を支持するように、低緯度域での高い種分化速度が多様性の勾配を急峻化させたことが見いだされた。これは、浮遊性有孔虫類による深度分割の時空間的パターンと一致する。高緯度域からの種の消滅もまたLDGを増強したが、その影響は種分化よりも弱い傾向があった。今回の結果は、長い時間スケールにわたる海洋LDG進化の理解に大きな変化をもたらすものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度