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細胞生物学:テロメアからミトコンドリアへのZBP1によるシグナル伝達は複製クライシスを仲介する

Nature 614, 7949 doi: 10.1038/s41586-023-05710-8

がんは、テロメアを基盤とする増殖障壁を細胞が回避し、不死性を獲得できるようにする遺伝的変化やエピジェネティックな変化の蓄積によって生じる。複製クライシスはこのような障壁の1つで、不安定なテロメアのような、がんに関連する染色体異常を持つチェックポイント欠損細胞を除去するオートファジー依存性のプログラムである。しかし、この重要な腫瘍抑制障壁の作動開始を調節する分子事象についてはほとんど知られていない。今回我々は、自然免疫センサーであるZBP1(Z-DNA binding protein 1)が、このクライシスプログラムの調節因子であることを明らかにした。クライシスに関連するZBP1アイソフォームはcGAS–STING DNA感知経路によって誘導されるが、その完全な活性化が起こるのは、機能不全のテロメアから合成されるTERRA(telomeric-repeat-containing RNA)転写産物に結合した場合だけである。TERRAに結合したZBP1はオリゴマー化し、一部のミトコンドリアの外膜上でフィラメントとなって、そこで自然免疫アダプタータンパク質であるMAVS(mitochondrial antiviral-signalling protein)を活性化する。ZBP1のこのようなオリゴマー形成特性がシグナル増幅機構として働き、TERRAとZBP1の数少ない相互作用だけでMAVSに依存した有害なインターフェロン応答を開始するのに十分となるのだろうと、我々は考える。今回の研究は、テロメアを介する腫瘍抑制機構を明らかにしており、機能不全となったテロメアは、この機構によってミトコンドリアのTERRA–ZBP1複合体を介して自然免疫応答を活性化し、腫瘍性の形質転換を起こすと決まった細胞を除去する。

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