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考古学:ヒッタイト帝国の崩壊と同時期に起きた紀元前1198~1196年ごろの複数年にわたる深刻な干ばつ
Nature 614, 7949 doi: 10.1038/s41586-022-05693-y
気候変動が人類史を大きく変化させる可能性は差し迫った関心事であるが、異なる種類の気候変動がもたらす具体的な影響については今なお不明である。この疑問には、古気候や考古学のデータを用いて取り組むことができる。例えば、紀元前1200年ごろの気候条件の300年にわたる長周期の乾燥寒冷化は、東地中海および近東におけるいくつかの古代文明の崩壊と頻繁に関連付けられている。しかし、同期的な気候と人類史スケールの関連についての正確な詳細は不明である。考古学的・歴史的な記録には、人類社会が長周期の気候変動にうまく適応してきた事例が複数存在する。まれで予期せぬ極端な気候事象の複数年にわたる連続発生によって、おそらく人類集団は、適応や数世紀来の回復策が及ばない状態に陥ると考えられる。今回我々は、紀元前1200年ごろのヒッタイト帝国の崩壊について調べた。ヒッタイト人は約500年にわたって古代世界に存在した一大勢力であり、アナトリアの半乾燥地域を中心として、古代の近東および東地中海の一帯に相互の政治的・社会経済的つながりを持つ帝国を築いた。ヒッタイト帝国は長年にわたり、度重なる社会政治的・経済的・環境的な課題に直面しながらも回復力があることを証明していた。当時のアナトリア中部のビャクシン属樹木から得られた年輪幅と安定同位体の記録を調べることによって、高分解能の乾燥度記録がもたらされた。今回の分析結果は、紀元前1198~1196年ごろ(±3年)に異常に厳しい乾燥期が続いたことを明らかにするとともに(これは転換点を示している可能性がある)、当時の危険緩和策を圧倒した可能性がある事象の種類を示している。

