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免疫学:核酸サイトメトリーによるアストロサイト調節因子の特定

Nature 614, 7947 doi: 10.1038/s41586-022-05613-0

多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性疾患である。アストロサイトは中枢神経系に常在する不均一なグリア細胞であり、多発性硬化症やそのモデルである実験的自己免疫脳脊髄炎の発症に関与している。しかし、アストロサイトのサブセットを単離するために利用可能な固有の表面マーカーはほとんどなく、このためこうした細胞の解析や治療標的候補の特定が妨げられている。また、病原性のアストロサイトがまれであることが、これらの制約をさらに増幅している。今回我々は、これらの課題に取り組むために、FIND-seq(focused interrogation of cells by nucleic acid detection and sequencing)法を開発した。FIND-seqはハイスループットのマイクロ流体サイトメトリー法で、細胞の液滴への封入、標的核酸のPCRによる検出、液滴ソーティングを組み合わせることで、目的とする細胞の単一細胞分解能での詳細なトランスクリプトーム解析が可能になる。我々はFIND-seqを用いて、スプライシングを介した転写因子XBP1の活性化(多発性硬化症と実験的自己免疫性脳脊髄炎の疾患病態を促進する)を特徴とするアストロサイトの調節を調べた。FIND-seqを、条件的ノックアウトマウス、CRISPR–Cas9を用いたin vivoでの遺伝学的摂動研究、そして実験的自己免疫性脳脊髄炎マウスおよび多発性硬化症患者由来の試料のバルクと単一細胞のRNA塩基配列解読解析と組み合わせることで、XBP1によって駆動される病的なアストロサイト応答の制限において、核内受容体NR3C2とそのコリプレッサーNCOR2が担う新たな役割が明らかになった。まとめると、我々はFIND-seqを用いて、XBP1によって駆動される病的なアストロサイト応答を制限する、治療標的となり得る機構を特定した。FIND-seqによって、独特な遺伝子発現シグネチャーや他の核酸マーカーによって定義されるまれな細胞サブセットなど、これまでアクセスできなかった細胞の研究が可能になる。

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