Article
化学:複数の隣接C–H結合の電気光触媒的酸素化
Nature 614, 7947 doi: 10.1038/s41586-022-05608-x
酸素含有官能基は、複雑な小分子中にほぼ遍在している。隣接C–H結合の同時酸素化による複数のC–O結合の選択的導入は、非常に望ましいと思われるが、これまで主に生合成に限られてきた。合成的手段による複数C–H結合の同時酸素化反応は、特に過酸化のリスクがあるため、課題となっている。今回我々は、脱水素化と酸素化による2つまたは3つの隣接C–H結合の選択的酸素化によって、単純なアルキルアレーンまたはトリフルオロアセトアミドから、対応するジアセトキシレートまたはトリアセトキシレートへの変換が可能になることを報告する。この方法は、強力な酸化触媒を繰り返し作用させつつ、分解的過酸化を避けられるほど十分選択的な条件に保つことで、そうした変換を実現している。これらの反応は、光と電気の両方のエネルギーを利用して化学反応を促進させる過程である電気光触媒反応を用いて実現される。注目すべきことは、酸をうまく選択することによって、二酸素化生成物と三酸素化生成物のいずれについても、選択的合成が可能になることである。

