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原子核物理学:重イオン衝突におけるφ中間子とK*0中間子のグローバルスピン整列パターン

Nature 614, 7947 doi: 10.1038/s41586-022-05557-5

湯川が中間子交換の観点から核子間の力を初めて記述して以来、数十年にわたる進展があったにもかかわらず、強い相互作用の完全な理解は、現代科学において依然として大きな難題である。残されている難しさの1つは強い力の非摂動的な性質から生じ、この性質によって、陽子サイズ程度の距離でクォークが閉じ込められる現象が現れる。今回我々は、クォークとグルーオンが広い体積にわたって自由になる相対論的重イオン衝突において、生成される2種類のスピン1のベクトル中間子、すなわちφとK*0が、予想外のグローバルスピン整列パターンを伴って現れることを示す。具体的には、φのグローバルスピン整列が予想外に大きい一方で、K*0のそれはゼロとして矛盾しない。φについて観測されたスピン整列のパターンと規模は、従来の機構では説明できないが、強い力の場と結び付けたモデル、つまり標準模型と量子色力学の範囲内での有効代理指標を用いる記述によって、今回のデータを取り扱える。この結び付きが確証されれば、強い力の場の挙動を調べる新たな道が開かれると思われる。

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