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原子物理学:三重項基底状態の分子間の衝突におけるフェッシュバッハ共鳴

Nature 614, 7946 doi: 10.1038/s41586-022-05635-8

衝突共鳴は、極低温ガスの相互作用を変化させて、量子シミュレーションにおいて未知のハミルトニアンを実現したり、原子ガスから分子を生成したり、化学反応を制御したりするのに用いられてきた重要なツールである。そうした共鳴はこれまで、原子–原子衝突、原子–分子衝突、非常に弱く結合したフェッシュバッハ分子間の衝突で観測されている。極低温の基底状態の分子にこのような共鳴が存在するかどうかについては、状態密度が高い可能性と共鳴複合体の崩壊が急速であるために、議論が続いている。今回我々は、三重項基底状態のNaLi分子間の衝突における、非常に明瞭で狭い(25 mG)フェッシュバッハ共鳴を報告する。この分子フェッシュバッハ共鳴には2つの特別な特徴がある。第一に、衝突損失率がバックグラウンド損失率より2桁以上増強されており、これは強い化学反応性によってp波普遍値で飽和している。第二に、共鳴は、2つの開チャネルがほぼ縮退する磁場の位置にある。これは、中間複合体が主に第二の開チャネルに崩壊することを示唆している。我々は、ファブリ・ペロー共振器に類似した結合モードを伴うモデルを用いて、この共鳴損失の特徴を説明する。今回の観測結果は、反応障壁のない系でも長寿命のコヒーレントな中間複合体が存在することを示す強力な証拠となり、化学反応のコヒーレント制御の可能性を開く。

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