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構造生物学:真核生物のミトリボソーム小サブユニット組み立ての原理

Nature 614, 7946 doi: 10.1038/s41586-022-05621-0

ミトコンドリアのリボソーム(ミトリボソーム)は、ミトコンドリアゲノムにコードされているタンパク質を合成し、このようなタンパク質は集合して酸化的リン酸化複合体を形成する。従って、ATPの産生と細胞の代謝にはミトリボソームの生合成が不可欠である。今回我々は、酵母とヒトの天然状態のミトリボソーム小サブユニット組み立て中間体の9個の構造を、クライオ電子顕微鏡を用いて決定し、これらの構造から、暗号解読中心の形成初期段階の制御にGTPアーゼがどのように使われるのか、当初のrRNA折りたたみとプロセシングがどのようにして行われるのか、また、組み立ての際にミトリボソームタンパク質がどのような能動的な役割を果たすのかという問題について、その機構の基盤を明らかにした。酵母とヒトという異なるミトリボソーム構造を持つ2種類の生物から得られた今回の一連の中間体から、真核生物のミトリボソーム小サブユニットの成熟を支配する保存された原理と種特異的な適応の両方が明らかになった。機能を持つサブユニットの生成に必要な、組み立て因子、ミトリボソームタンパク質、rRNAの間の活発な相互作用を明らかにしたことで、我々の構造解析は大型のリボ核タンパク質集合体で分子レベルの複雑さと多様性がどのように進化し得るかを分かりやすく示している。

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