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物性物理学:黒リンにおける擬スピン選択的フロケバンドエンジニアリング

Nature 614, 7946 doi: 10.1038/s41586-022-05610-3

時間周期的な光場は、強結合極限における光子ドレストフロケ状態とのハイブリダイゼーションを通して、固体物質、低温原子、フォトニック系における量子状態を操作する調節つまみとして浮上しており、この操作はフロケエンジニアリングと呼ばれている。そうした相互作用は、例えば、ディラック物質のトポロジカル特性の改良や光学応答の調節など、目的に合わせた量子物質の特性の調整につながる。この10年間の幅広い研究的関心にもかかわらず、フロケエンジニアリングをさまざまな固体物質に拡張するのに極めて重要なステップである、半導体の運動量分解フロケバンドエンジニアリングの実験的証拠はない。今回我々は、時間・角度分解光電子分光測定の結果に基づいて、モデル半導体である黒リンにおけるフロケバンドエンジニアリングの実験的特徴を報告する。340~440 meVの光子エネルギーで近共鳴励起すると、バンド端近傍で強いバンド繰り込みが観測された。特に、共鳴点において、フロケサイドバンドと同時に出現する、光誘起される動的なギャップの開きが分解されている。さらに、バンド繰り込みは、アームチェア方向の励起偏光に有利な強い選択則を示し、これは、格子対称性によって強制される、フロケバンドエンジニアリングの擬スピン選択性を示唆している。今回の研究は、黒リンにおける擬スピン選択的フロケバンドエンジニアリングを実証するとともに、半導体のフロケエンジニアリングにとって重要な指針をもたらすものである。

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