Article
腫瘍生物学:樹状細胞が概日抗腫瘍免疫応答を指示する
Nature 614, 7946 doi: 10.1038/s41586-022-05605-0
がん免疫監視の過程は、宿主の生涯にわたってがんの発生を防止し得る腫瘍抑制機構である。しかし、がん免疫監視の有効性が1日の中で変動するかどうかは分かっていない。今回我々は、マウスの複数のがんモデルにおいて、腫瘍生着の最初の時間帯が、その後の腫瘍サイズを決定することを実証する。我々は、免疫不全マウスおよび細胞系譜特異的に概日機能を欠損するマウスを用いて、樹状細胞(DC)とCD8+ T細胞が黒色腫の体積を制御する概日抗腫瘍機能を発揮することを示す。具体的には、腫瘍流入領域リンパ節へのDCの周期的な移動が腫瘍抗原特異的なCD8+ T細胞の概日応答を支配しており、この概日応答は共刺激分子CD80の概日発現に依存していることが分かった。その結果、がん免疫療法は、DC機能と同期させた場合により効果的であり、マウスで概日性の転帰が示され、ヒトでも同様の効果があることが示唆された。これらのデータは、抗腫瘍免疫の構成要素の概日リズムが腫瘍サイズの制御に重要であるだけでなく、治療に関連する可能性も示している。

