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ナノスケール材料:C60から作製された長距離秩序多孔質炭素
Nature 614, 7946 doi: 10.1038/s41586-022-05532-0
共有結合で複数のC60分子をつないだ炭素構造体が報告されているが、通常、それらの作製方法で得られる試料は非常に少なく、潜在的用途に必要となる詳細な特性評価や調査が制限されている。今回我々は、周囲圧力においてα-Li3Nを触媒にして、長距離秩序を持つ多孔質炭素(LOPC)という新しいタイプの炭素を、C60粉末からグラムスケールで合成したことを報告する。LOPCは、長距離周期を維持する、壊れたC60ケージがつながった構造からなり、X線回折法、ラマン分光法、マジック角回転(MAS)固体核磁気共鳴分光法、収差補正透過型電子顕微鏡法、中性子散乱法によって特性が評価された。ニューラルネットワークに基づく数値シミュレーションからは、LOPCが、フラーレン型炭素からグラフェン型炭素への転移時に生成された準安定構造であることが示された。より低温でアニーリング時間が短い、あるいはα-Li3Nの使用量が少ない条件では、α-Li3NからC60への電子移動が起こるため、よく知られた重合C60結晶が形成される。炭素のK吸収端でのX線吸収端近傍微細構造(NEXAFS)は、LOPCにおける電子の非局在化の程度がC60(s)よりも高いことを示している。電気伝導率は、室温で1.17 × 10−2 S cm−1であり、Tが30 K未満のときの伝導は、キャリアホッピングによって中断される金属的な短距離輸送の組み合わせに起因するように思われる。今回のLOPCの合成によって、C60(s)から始まる他の結晶性炭素の発見が可能になる。

