Article

発生生物学:保存された因子群の分子ネットワークが卵でリボソームを休眠状態に保つ

Nature 613, 7945 doi: 10.1038/s41586-022-05623-y

リボソームは、卵形成の際に大量に産生され、卵に貯蔵されている。しかし、卵や初期胚では翻訳は抑制されている。今回我々は、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)およびアフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵と胚から単離されたリボソームについての質量分析とクライオ電子顕微鏡による解析を用いて、リボソームは、胚形成の最初の数時間に休眠状態から活性状態に移行することを示す分子的な証拠を提示する。休眠状態のリボソームは4つの保存された因子と結合しており、これらはHabp4–eEF2モジュールと、Dap1b(death associated protein 1b)あるいはDapがeIF5aと複合体を形成したモジュールという、2つのモジュールを形成している。両モジュールは、リボソームの機能的に重要な部位を占有しており、共同で作用してリボソームを安定化し、翻訳を抑制する。Dap1b(哺乳類ではDapl1としても知られる)は、新たに発見された翻訳抑制因子で、ポリペプチドの出口トンネル内に安定的に挿入されている。ゼブラフィッシュの組換えDap1bタンパク質を加えるだけで、in vitroでの翻訳の阻止や、哺乳類翻訳抽出物中で休眠卵リボソーム状態を再構築するのに十分であった。従って、発生においてプログラムされ、保存されたリボソーム状態は、卵におけるリボソーム貯蔵と翻訳抑制に重要な役割を担っている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度