Article
微生物遺伝学:ウンデカプレニルリン酸トランスロカーゼは微生物に条件的な適応度を付与する
Nature 613, 7945 doi: 10.1038/s41586-022-05569-1
微生物の細胞壁は、細胞形態の維持や外部ストレッサーに対する抵抗性にとって不可欠である。細胞壁の主要な構成要素はペプチドグリカンであり、これは細胞膜の外側に位置するペプチド架橋を持つ糖鎖高分子である。ペプチドグリカンの生合成と構造は、pHや塩分などの環境条件の変化に反応するが、そのような適応の根底にある機構は、完全には解明されていない。ペプチドグリカンや他の細胞表面糖鎖高分子の前駆体は細胞質で合成された後、リサイクル可能な脂質担体であるウンデカプレニルリン酸(C55-P、別名UndP)に結合し、細胞膜を横断して送達される。今回我々は、DUF368含有タンパク質とDedA膜貫通タンパク質のファミリーを、C55-Pトランスロカーゼの候補として特定し、微生物の細胞表面ポリマーの生合成に必要なタンパク質について欠けていた重要な知見を補う。コグネイトなDUF368含有タンパク質を欠失したグラム陰性細菌とグラム陽性細菌では、アルカリ依存的な細胞壁と生存能力の異常が生じるとともに、細胞表面のC55-Pレベルが上昇していた。DUF368含有タンパク質とDedAファミリーメンバーの間のpH依存的な合成的遺伝的相互作用は、C55-P輸送体の使用は動的であり、環境からの入力により調節されることを示唆している。C55-P輸送体の活性は、腸内でのコレラ病原菌の増殖と細胞形態の維持に必要だった。輸送体への条件的な依存性は、脂質担体のリサイクルにレジリエンスを与え、宿主内外での微生物の適応度を高めていると、我々は提唱する。

