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材料科学:相補型回路向けの縦型有機電気化学トランジスター
Nature 613, 7944 doi: 10.1038/s41586-022-05592-2
有機電気化学トランジスター(OECT)やOECTを用いた回路は、駆動電圧が極めて低く(< 1 V)、消費電力が少なく(< 1 μW)、トランスコンダクタンスが高く(> 10 mS)、生体適合性があるため、バイオエレクトロニクス、ウエアラブル・エレクトロニクス、人工ニューロモルフィック・エレクトロニクスにおいて大きな可能性をもたらす。しかし、重要な相補型論理OECTの実現は、経時不安定性や動作不安定性、酸化還元過程やスイッチングの遅さ、高密度モノリシック集積化との不適合性、n型OECTの低い性能によって制限され、今のところそれほどうまくいっていない。今回我々は、酸化還元活性な半導体ポリマーと、光硬化性または光パターニング可能性もしくは両方の性質を持つ酸化還元不活性なポリマーをブレンドしてイオン透過可能な半導体チャネルを形成し、高密度で不透過性のトップコンタクトを持つ単純かつスケーラブルな縦型アーキテクチャーにこれを実装することによって、バランスの取れた超高性能のp型とn型の縦型OECTを実証する。この垂直積層相補型縦型OECT論理回路は、我々の知る限り初めてのもので、±0.7 V未満で1 kA cm−2を超えるフットプリント電流密度、0.2~0.4 Sのトランスコンダクタンス、1 msという短い過渡時間、極めて安定したスイッチング(> 5万サイクル)が達成された。今回のアーキテクチャーは、巨視的な電解質の接触なしに、ナノスケールの閉鎖空間における有機半導体の酸化還元化学や物理学の基礎研究のみならず、ウエアラブルデバイスや埋め込み型デバイスへの応用に多くの可能性を開く。

