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発生生物学:種特異的な発生速度の代謝調節
Nature 613, 7944 doi: 10.1038/s41586-022-05574-4
動物では、発生事象の全体的な順序は広く保存されているにもかかわらず、胚発生速度には大きな種間変動が見られる。タンパク質の産生と分解の速度など、生化学反応速度の差異が、種特異的な発生速度の原因と考えられている。しかし、種間で生化学反応速度が異なる原因は分かっていない。今回我々は、多能性幹細胞を用いて、マウス胚とヒト胚の間の発生速度における2倍の差異を再現するin vitro系を確立した。この系は、分節時計(脊椎前駆細胞の周期的な産生に関連する分子振動子)の周期で明らかにされたように、発生速度の定量的測定を可能にする。我々はこの系を用いて、単位重量当たりの代謝速度は発生速度に対応しており、従ってマウス細胞ではヒト細胞よりも大きいことを示す。電子伝達系を阻害することで、これらの代謝速度を低下させると、細胞のNAD+/NADH酸化還元バランスが損なわれ、さらに下流ではタンパク質合成の全体的な速度が低下するため、分節時計が遅くなった。逆に、ヒト細胞でLactobacillus brevisのNADHオキシダーゼであるLbNOXを過剰発現させてNAD+/NADH比を上昇させると、翻訳速度が増し、分節時計が加速した。これらの知見は、発生速度を操作する出発点となり、疾患モデル化や細胞ベースの治療法のためにヒト多能性幹細胞の分化を加速させるなど、複数のトランスレーショナル応用が考えられる。

