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量子物理学:多体系量子カオスを用いた乱雑状態の生成とベンチマーキング

Nature 613, 7944 doi: 10.1038/s41586-022-05442-1

量子状態を無作為に生成することは、現代の量子科学においてますます重要となってきており、理論的にも実用的にも応用されている。特に、乱雑に分布するが純粋であるそうした量子状態の集団は、量子回路やブラックホールにおける複雑さの理解の基礎であり、量子優位性の検証において量子デバイスのベンチマーキングに用いられている。しかし、乱雑な集団を作り出すには高度な時空間的制御が必要なため、多くの種類の量子系ではそうした研究には手が届かない。今回我々は、時間に依存しないハミルトン力学の下で自然に生じる乱雑状態の集団を予測し実験的に観測することによってこの問題を解決し、この集団を用いて、効率的で広く適用可能なベンチマーキングのプロトコルを実行した。観測された乱雑集団は、射影測定から現れ、より大きな量子系の部分系の間で増強された普遍的な相関と密接に関連しており、量子熱化に関する新しい知見をもたらす。この発見に基づいて、我々は忠実度推定スキームを開発し、104個未満の実験サンプルを用いて最大25個の原子からなるリュードベリ量子シミュレーターについてこれを実証した。我々が、ハミルトニアンパラメーターの推定、目標状態生成のベンチマーキング、アナログ量子デバイスとデジタル量子デバイスの比較で実証したように、この方法は、幅広い応用が可能である。今回の成果は、量子力学における乱雑さの理解に影響を及ぼし、より広い状況におけるこの概念の応用を可能にするものである。

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