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神経科学:人工内耳の性能を向上させる青斑核の活動

Nature 613, 7943 doi: 10.1038/s41586-022-05554-8

人工内耳(CI)は、ろう者に聴力を提供し得る神経機能代替装置である。CIによってもたらされる利益にもかかわらず、聴力を取り戻すまでにかかる時間や、長期的なCI使用後に得られる知覚の正確さには、いまだに大きなばらつきがある。CIの使用には中枢聴覚系での神経可塑性が必要と考えられており、神経可塑性機構の関与の差が結果の変動の一因となっている可能性がある。CIがどのように聴覚系を活性化するかについての研究は幅広く行われているが、CIに関連した神経可塑性の理解は依然として限られている。可塑性をもたらす有力な要因の1つは、脳幹の青斑核(LC)から分泌される神経修飾物質ノルアドレナリンである。今回我々は、聴覚損傷ラットに多チャンネルCIを装着し、LCおよび聴覚皮質における行動応答と神経活動を調べた。これらのラットを報酬に基づく聴覚課題で訓練したところ、学習速度と最大成績に顕著な個体差が見られた。LCの光計測から、CI装着個体の音に対する反応の開始時期と長期的な知覚の正確さを予測することができた。LCへの光遺伝学的な刺激では、学習の加速と長期的な正確さの向上が見られた。また、聴覚皮質のCI刺激への応答は行動成績を反映しており、報酬刺激への応答の強化と、無報酬刺激の間での識別能の低下が見られた。従って、中枢神経修飾系の適切な関与は、神経機能代替装置の使用を最適化する上で臨床的に重要な標的となる可能性がある。

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