Article
天文学:短時間ガンマ線バーストにおけるキロヘルツの準周期的振動
Nature 613, 7943 doi: 10.1038/s41586-022-05497-0
短時間のガンマ線バースト(GRB)は連星中性子星の合体と関連付けられており、重力波とマルチバンドの電磁スペクトルの両方で観測されているマルチメッセンジャー天文学事象である。連星系の星の質量とそれらのほとんど知られていない状態方程式の詳細に応じて、力学的に進化する短寿命の中性子星が合体後に形成されて、ブラックホールへ崩壊する前の約10~300 msの間存在する可能性がある。さまざまな研究グループの数値相対論シミュレーションでは、合体後の重力波信号に1~5 kHzの広範囲のパワースペクトル特性が示されており、これは現在の重力波検出器ではアクセスできないが、今後10年のうちに将来の第三世代の地上設置型検出器で観測できるようになる可能性がある。このことから、ブラックホールへと最終的に崩壊する直前に中性子星が形成される事象の一群において、放射ガンマ線が準周期的に変化している可能性が示唆される。本論文では、BATSE(Burst and Transient Source Experiment)のアーカイブデータから、そのような2つの信号を短時間のバーストGRB 910711とGRB 931101Bに確認し、これらの信号が数値相対論による予測と矛盾しないことを報告する。

