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構造物理学:ナトリウム/ヨウ化物共輸送体の輸送機構の構造学的考察
Nature 612, 7941 doi: 10.1038/s41586-022-05530-2
ナトリウム/ヨウ化物共輸送体(NIS)は細胞膜に含まれる必須のタンパク質で、甲状腺へのヨウ素イオン(I−)の能動輸送に関わっている。この輸送は、中間代謝の主要な調節因子である甲状腺ホルモン類の生合成の第一段階である。NISは、I−の電気化学的な勾配に逆らう内向きの移動を、電気化学勾配に従うNa+の内向きの輸送と共役させている。NISは、その分子の実体が突き止められるまでのほぼ50年にわたって、最も効果の高い唯一の内部放射線がん治療、つまり甲状腺がんに対する放射性ヨウ素(131I−)内用治療の中心となる分子だった。NISに生じた変異は、先天性甲状腺機能低下症を引き起こし、これは発育不全や認知障害を防ぐために生後すぐに治療する必要がある、今回我々は、ラットNISの3つの構造、すなわち基質が結合していない構造、2個のNa+と1個のI−が結合した構造、それに1個のNa+と過レニウム酸オキシアニオンを結合した構造を単粒子クライオ電子顕微鏡法により決定した。構造学的解析と機能的特徴付け、それに計算機研究から、基質結合部位と輸送活性に重要な残基が明らかになった。我々の結果から、NISが陰イオンを選択して連結し、輸送する仕組みについての知見が得られ、それによってNISの機能を理解するための枠組みが確立され、またNISがさまざまな基質を多様な化学量論的関係に基づいて輸送し、さらに基質が結合しているキャビティから細胞質へ放出する仕組みについての考察がもたらされた。

